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Sekigawa Kohei

撮影:山中 慎太郎 (Qsyum!) ©︎混浴温泉世界実行委員会
蝶々/紐
2024|紐、スダチの枝、植木鉢、靴、枯葉、ステ ンレス
Head in the Clouds / Down to Earth
Art Fair Beppu 2024に出品した作品。
展示スペースに垂れ下がった紐の両端を蝶々結びにして、その結び目を販売する。(販売価格は8円以上〜上限なしの付け値)
売買が成立すると、結び目部分を切り取って購入者に渡し、残った紐の両端をふたたび結び直す。
ぼくは壁の穴から上半身だけ出した状態で接客し、以下のようなエピソードを話す。
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その年のはじめに、ホームセンターでスダチの苗を買って家の外で育てていた。
春の終わりごろ、いつものように水やりをしようと思ったら葉に青虫がついていることに気がついた。
調べてみるとそれはアゲハチョウの幼虫で、柑橘系の葉を食べて育つことが多いらしい。
ものの数日の間で幼虫たちは葉を食べ尽くしてしまい、スダチは枯れてしまった。
幼虫たちは、スダチの木では蛹にならずにどこかに消えてしまったので、果たして無事に羽化できたのかわからない。
働いた時間はお金に変わり、お金はホームセンターでスダチの苗木に変わり、スダチの苗木は(実らずに)どこかで蝶々に変わっている(かもしれない)。自分の「時間」が「蝶々」に変わったと考えてみるのは面白いかもしれない。
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結び目が購入されるごとに残りの紐はだんだんと短くなるので、結び目の位置が高くなっていき結び目の蝶々は飛んでいく。
購入された紐は蝶々に似た形をしているが、結び目を解けば単なる2本の紐の切れ端に変わる。







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