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撮影:中村マユ

2023|パフォーマンス

a Summer Long

夏のはじまりごろから終わりごろまで会期が続くグループ展で発表した作品。

展示室の半分以上が木製の板で覆われ巨大な"坂"のようになっていて、会期中はほとんど毎日その上で過ごす。

立ったり、座ったり、歩き回ったり、ときどき走ってみたり、決まった動き方はない。疲れたらうずくまって寝てみたりもするが、ひとところにじっとしていようとしても、斜面になっているためズルズルと滑り落ちてしまう。一番下まで滑り落ちると、またゆっくり登ったりする。

この”坂”は、地球の地軸の傾きと同じだけの「角度」(23.4度)がついている。

これだけの傾きをもって地球が公転することによって、地表には日照時間の変化が起こり一年を通じた気象の変化がもたらされている。

この傾きがもたらす変化は、展覧会の会期中(6月27日〜9月24日)にも間違いなく起こっていて、それは「夏」と呼ばれていて、鑑賞者は"暑い季節"のなか、駅前や駐車場からここまで歩いて、抽象的な時間の流れる美術館に身体を運ぶ。そしてこの作品の前で1日のうちの「数秒〜数分」を経験するが、パフォーマーは1日のうち「数時間」にわたって”坂”の上に身体を展示しているようで、"鑑賞"とは別の時間が流れていることがわかる(いたりいなかったりもする)。鑑賞者は「ある1日」を、そして展覧会はもう少し長い「あるひと夏」を経験していて、さらに想像すると、”坂”として目にしているこの「角度」があることによって、そもそもの、月や季節、年といった長いスケールの時間感覚それ自体が生まれていることに思いをめぐらすこともできるかもしれない。その「角度」の上に立って、足首を曲げて無理な姿勢を取っている人の形を、人の形をたずさえて目撃すること。

そうした、いくつかの時間のスケールと身体のスケールが折り重なること。

会場施工:

ミラクルファクトリー

レビュー:

刻々と移り変わる夏を受け止める作品たちー「吹けば風」展(評:能勢陽子)

「吹けば風」(豊田市美術館)レビュー。まず気づき、感じること。(評:慶野結香)

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